建築工事を進めています  令和5年5月29日掲載

石垣の養生も完成し、建築工事を進めています。建物が少しずつ出来上がってきています。

<建物躯体の骨組みとなる鉄筋の設置>

しっかりと鉄筋を設置し、結束します。

<コンクリートの打設>

鉄筋を囲むように枠を作り、その中にコンクリートを流し込んでいきます。

・・・公園内はありがたいことにたくさんの観光客がお越しになっており、

安全確保の観点から、大きなコンクリート車は夜間にしか入れない為、

夜の内に工事を進めます。

・・・夜空に浮かび上がる大阪城天守閣をバックに。

<コンクリート打設後>

コンクリートが固まれば枠を取り外します。

この作業を繰り返して、建物が出来上がっていきます。

<土留め部材の一部撤去>

工事の進捗にあわせて周囲の土留めを支えていた梁を順に撤去します。

・・・大きな鉄骨ですので慎重に扱います。

<部材を撤去した状況>

上部の梁は残っていますが、かなりスッキリしました。

建築工事はまだまだ続きます。

石垣公開をお楽しみに!!

 

 

工事に備えて石垣保護養生作業等を行いました!  令和4年11月16日掲載

石垣の石材表面強化剤塗布も終了し、石垣をエアバック・ステンレスネット・コンクリート用化粧合板を用いて養生を行いました。

この石垣養生作業により、建築工事の施工から石垣を保護し、より安全に工事を進める事が出来るようになりました。

<石垣養生方法>

下記に記した資材の順番で工事中の石垣養生を行っています。

<ペーパーウエスの養生状況>

まず、ペーパーウエスを石に張り付け、凸凹を滑らかにします。

<保護フェルト貼りとステンレスネットの養生状況>

ペーパーウエスの上に保護フェルトを貼り、その外にステンレスネットを張ります。(ステンレスネットは単管に固定します)

<エアバックの養生状況>

保護フェルトとステンレスネットの間にエアバックを設置します。

南面石垣上部のエアバック設置状況
東面石垣エアバックの設置状況

<ポリエチレンフィルム・コンクリート用化粧合板の養生状況>

エアバックをポリエチレンフィルムで覆い、その上からコンクリート用化粧合板を設置します。

<コンクリート用化粧合板の養生完成状況>

(天端部分・南西から)

<コンクリート用化粧合板の養生完成状況>

(上部部分・南東から)

これにて建築工事の完了まで、石垣の全体の姿は見る事が出来なくなりました。

ですがこれも安全安心施工の為!!

<コンクリート用化粧合板の養生完成状況>

(全体)

次に石垣全体が見られるのは、養生を外す建築工事完成間近になります。

石垣公開をお楽しみに!!

石垣石材表面の強化作業等を行いました!  令和4年5月25日掲載

設置した足場を使用し、石垣表面の調査を行った結果、剥落等のおそれがある箇所や間詰石が抜けている箇所が判明したので、石垣石材表面には風化を防ぐための強化剤の塗布を行いました。また、剥落等のおそれがある部分には接着剤等での補強、間詰石が抜けている箇所には 石垣の安定に最低限必要な間詰石の設置を行いました。
この作業により、より良い状態での保存・展示が可能となりました。

 

  • 石垣石材表面の風化防止のための石材強化剤塗布状況。スプレーで塗布を行いました。

<塗布作業状況>

(天端)

(南面)

(東面)

 

  • 石垣表面の割れ・剥落防止のための接着剤塗布状況。細かい部分は先の細い器具を使用し、作業を行いました。

<塗布作業状況>

 

  • 石垣の安定のための間詰石の設置状況。

<間詰石作業状況>

緩みのある間詰石は軽く押し込んで固定させます。

石垣足場を設置し、石垣石材表面の調査を行っています!  令和3年11月30日掲載

釜場を設置し、溜まっていた水が排水されたので、工事は次の段階へ進みます。
長年(約400年!)地下に眠っていた石垣は、想定していたより風化が進んでいたため、より良い状態で保存・展示ができるよう石垣石材表面の調査を行い、剥落等のおそれがある箇所を中心に薬剤を塗布する検討を行っています。

調査を行うためには、石垣に近づく必要があるため、石垣に沿って足場を設置しました。

<足場設置状況>

足場設置状況①

 

足場

地下7mの地表に排水釜場(排水ます)を設置しました!  令和3年10月12日掲載

発掘調査を終え、次の工程(今後、順次アップ予定)に移る予定でしたが、周辺に降った雨水が石垣から現場内に流れ込んでおり、また、地下7mの地盤は、雨水等を浸透しない土質であったため、雨水が溜まりつづけ、地下遺構の保護のために敷設した砂層(保護砂)が滞水し泥状化しました。

<雨水による溜水状況>
20210609_石垣周り湧水-1
20210609_石垣周り湧水-2

このままでは工事継続が困難であったため、雨水排水方法の見直しとして、地下遺構への影響がないことを確認した上で、排水釜場の形状・設置位置を変更し設置しました。
設置後は釜場に周囲の水を集め、ポンプを使って排水を行います。

<排水釜場設置状況>
排水釜場設置状況
釜場製作

 

 

石垣周囲 断面イメージ

石垣の状態を継続して観察するためのセンサーを設置しました!  令和3年5月26日掲載

貴重な文化財である豊臣石垣を、将来にわたり良好な状態で保存していくためには、現在の石垣の状態を把握し、石垣に影響を及ぼす可能性のある様々な要因を想定した上で、変化が生じていないかを継続して観察していく必要があります。

このため、豊臣石垣が構築された時代のものと考えられる石垣背面の盛土層においてボーリングを行い、土壌を採取し土質性状を確認するとともに、地中の温度や含水量を継続的に計測するためのセンサーを設置しました。

今後は、計測データをもとに、露出した石垣の乾燥・湿潤状態を確認していきます。

なお、豊臣石垣背面の盛土は、上町台地の地層を材料としていることがわかりました。

<ボーリング作業状況>

ボーリング作業状況

 

<石垣断面イメージ>

石垣断面イメージ

 

<ボーリングで採取した土壌>

ボーリングで採取した土壌