太閤秀吉が築いた初代大坂城の石垣を発掘・公開への取り組みと募金案内。

新着情報

「太閤なにわの夢募金」の募集期間を延長します

大阪市は、大阪城エリアの世界的観光拠点化にむけ、豊臣秀吉が築いた初代大坂城の石垣を掘り起こして公開する「豊臣石垣公開プロジェクト」に取り組んでおり、このプロジェクトの推進資金として「太閤なにわの夢募金」を募集しています。

大坂本願寺に始まり、豊臣期・徳川期を経て、近代・現代に至る歴史的文化遺産が折り重なる大阪城。平成26年度に実施した発掘調査の結果、徳川期「砂利敷きの通路跡」が発見されました。このような面的に広がる通路跡の発見は、大阪城では初めてとなります。

このため、徳川期遺構「砂利敷きの通路跡」を現地に保存しつつ地下の豊臣期石垣を公開すべきとの文化庁の指導も受け、これまで進めていた整備計画の一部を見直さざるを得ず、平成29年度施設整備着工、平成31年度完成をめざしてプロジェクトを推進してまいります。あわせて、募金目標額5億円にむけ「太閤なにわの夢募金」の募集期間を平成27年3月31日から平成29年3月31日まで延長します。早期完成を期待してご寄附いただきました皆さまには、もうしばらくお時間を頂戴することとなり申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようよろしくお願い申しあげます。

整備計画の見直しにあたっては、発見された「砂利敷きの通路跡」や重要文化財「金蔵」周辺の石列・石組溝など徳川期遺構の修復やパネル展示なども検討し、大坂の陣直後の姿のままの「豊臣期大坂城の石垣」をはじめ上層の徳川期遺構のありさまも公開することで、特別史跡大坂城跡の特徴である歴史の積み重なりを体感していただける施設づくりをめざします。

大阪の歴史を物語る新たな魅力の創出にむけ、引き続き多くの皆さまのご理解・ご支援を賜りますよう、今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。

「太閤なにわの夢募金」の状況

  • 募金目標額:5億円
  • 募金収受額:約1億2,750万円、約3,500件(平成27年2月末日現在)
  • 募集期間:平成25年4月1日から平成29年3月31日まで
  • 寄附特典:「ふるさと寄附金制度」の適用を受けられるほか、大阪城にちなむ様々な特典をご用意しています。詳しくは「寄附特典」のページをご覧ください。

徳川期遺構発掘調査の結果

豊臣石垣公開プロジェクトに伴い、石垣公開施設周辺の徳川期遺構の状況把握を目的とした発掘調査を実施しています。これまでの調査で重要文化財「金蔵」に伴う石列・石組溝や、瓦廃棄穴の状況を確認してきましたが、平成26年度新たに「砂利敷きの通路跡」が発見されました。

この通路は、19世紀前半頃を描いた「浪華城全図」(大阪城天守閣蔵)に白く表現されている通路にあたるものと考えられます。描かれた通路は北は本丸北端の番所から南は馬印櫓まで続いており、よく使われる通路として砂利や瓦片を敷いて整備したものと考えられます。

大阪城内でこのような通路跡が発見されたのは今回が初めてであり、文化庁の指導を仰ぎながら、徳川期遺構の保存をはかりつつ地下の豊臣期石垣を公開することで、大阪城がもつ歴史の重層性を体感いただける施設づくりをめざします。

発見された「砂利敷きの通路跡」

1.位置

大阪城天守閣の南東、重要文化財「金蔵」の東側

 

2.概要

  • 南東から北西方向にのびる幅約2.5m、延長約27mの通路跡。
  • 両側に幅0.4〜0.8m、深さ約0.1〜0.2mの浅い溝を伴う。
  • 玉石や瓦片が敷き詰められ、上面は固く締まっている。

※現在は遺構保存のため埋め戻されており、ご覧いただけません。